Tuesday, May 6

ドクターフライマンについて

太晴が事故後、開頭手術を受けて退院した折は、我々は憔悴しきって何をしたら良いのか途方に暮れました。
太晴は夜昼となく泣き続けて手の施しようが有りませんでした。
恐らく太晴は激しい頭痛に苛まれると同時に病院で投薬された薬の後遺症から抜け切れなかったのだと思います。彼自身も眠れずに疲れ果てて消耗したのでしょう。
色々と調べた結果、フライマン先生と言う著名な頭蓋専門の整骨医を見付けました。 彼女の治療院は、偶然にも、我々が住むサンデイエゴに在ったので早速訪問しました。
最初に彼女を訪ねた時は我々はそれこそ藁にも縋る思いで何をしたら良いのか全く判らない状態でした。 病院では手術が終わった後は、何をすべきかを全く教えて呉れませんでした。
太晴は大丈夫でしょうか?とフライマン先生に聞きました。お二人は太晴を信用することです!彼にはチャンスを与えれば、今持っている物を最大限に発達させ、驚くような反応を彼は見せる筈です と応えて下さいました。
この言葉を聞いて、初めて希望が湧き、私達二人で泣き続けました。
フライマン先生は小柄でかなりの老齢(恐らく90歳を超えてるでしょう)、英国出身の女性です。 彼女は太晴を診察台の上で一回転させてから、ゆっくりと背骨を触り、手を頭に被せて擦り始めました。 そして、太晴が激しく泣くのは怪我からの痛みが原因と説明して呉れました。


僅か二回の治療で、太晴は泣かなくなり、夜も一度寝付くと朝まで起きなくなりました。フライマン先生の処には世界中から頭脳に関わる病気を抱えた子供を持つ両親が訪ねて来ていました。 彼女の治療は正に神業で、或る子供は数回の治療だけで常習化していたけ引き付け(癲癇)を起こさなくなりました。 彼女は悩める患者には真の治療師でした。 
多くの障害児が回復に向かって進みだす最初の第一歩を見付けてくれました。 彼女は他の医師が現代医学で諦めた子供達を助けることに強い使命感を持っていました。

今はフライマン先生は引退され治療はされていませんが、我々の息子を助けて下さったことには感謝の言葉が見つかりません。彼女の余生が満ち足りたものであることを心から願うばかりです。



No comments:

Post a Comment